- 発表者:平田晴雄
- 第32号「創作」 『対岸のビルたち』
着色ローマ紙に木炭とパステル
“描きたいもの”は、何十年も前から変わっていないのは、なぜ?
たまたま、何年か前の作で「川べりにある倉庫たち」*がありましたが、彼ら(倉庫たち)は、黙っているのは、逆に何事かを語っているような気がして、耳を傾ける気になったのです。
倉庫の前面は、なぜセピア色に沈みこむのでしょう。その手前にある作業場(?)の板壁はナゼ“赤”に塗ってあるのか?倉庫の扉は、緑なのに。
前を流れる運河は、波立たないので、川面は鏡のように地上にある物を映しました。
今回の、“対岸のビル”も、前面ガラスでおおわれているので、全身が“鏡”となって、まわりのものを映し出します。見る場所によって映るものも変わります。でも、それにはあまりこだわらず、左右数棟のマンション風建物をいれて、“ビルたち”としました。
今回ちがうのは、見はるかす彼方に“遠いビル”が入ったことです。両国橋のランカン先に半かすみで見えるだけですが、その周辺にある遠い街並みを想い描いてしまうのです。
次回は、そこヘ行って、平坦な場所で“水辺”を探して描きましょう!江東ですから水辺は必ずあるはずです。
水辺のビルたちが見せる様々な表情‐それを描かずにはいられません!
* 平田晴雄氏による旧油彩作品 (指導・十二芳明)