- 発表者:桐生政郎
- 第51号「模写」ルーベンス作、シュザンヌ・フレーマンの肖像
P8(455×333) 板に水彩・テンペラ・油絵の具
ルーベンスの下塗りは、①キャンバスの場合は、白亜地の上にグレーによる下塗り、②板の場合は、白亜地の上にうすい縞目状の塗り、と2種類を使い分けていたことが知られている。今回は、ルーベンスの模写2作目として②のタイプに取り組むことにした。
制作は、12mmのシナ合板に和紙を貼り、エマルジョン下地を施したあと乾燥させ、デッサンを転写し彩色を行った。
第一描き:ガッシュ絵具のイエローオーカーで下塗りを薄く均一ではなく不規則に仕上げ、さらに黒色で透けるようにデッサンを行った。
第二描き:テンペラ絵具の白色で描き起こした後、グレーで雲や着衣の移行部のデッサンを完成させた。次に寒色(ウルトラマリン+ビリジアン)のグラッシーで、いったん全体を塗った。
第三描き:油絵の具で空、雲、衣服、肌を描き、顔および手については3種類の肌色(標準、赤い肌色、黄色い肌色)を作り、パズル的に当て嵌めるように描き上げた。
今回の模写においては、透明描きと半透明描き、最後に不透明描きで描くように指導され、自分なりに気に入った模写の一点に加えることが出来た。次回は応用として自画像をこの技法で描きたいと思いました。
(指導;十二芳明)