鎌倉の絵画教室で日本画、クロッキー、デッサン、油絵、水彩、混合技法、テンペラ画、素描、黄金背景テンペラ画を学ぶ|早見芸術学園

JR鎌倉駅東口 徒歩1分 神奈川県鎌倉市小町1-2-16

TEL 0800-222-0883

作品一覧

受講生作品

発表者:吉田兼行
第13号「模写」 『眠る二人の子供』

9mmしな合板に和紙貼り  白亜地・テンペラと油彩 50.5x65.5cm
ルーベンス(Peter Paul Rubens 1577~1640)

私が共感を覚える絵(油絵)は、中でも具象画で立体感があり、質感、空間が伝わる現実感覚の絵である。自分で描く絵でもどうしても写実的になる。写真の様な絵が好きと言うわけではないが、より本物に近い表現をすることに絵の魅力を感じ、また、そのように描けることに憧れている。油絵具は透明感や質感を表現するのに好都合な材料であるから、絵具の科学的効果を最大限に利用する技法や視覚効果を活かす画法には非常に興味と探求心が湧く。これまでも先生にはその手法、技法を理論で教えて頂いた。今回模写した、輝くような透明な色彩表現が特徴のルーベンスの絵は、これまでに理解した油絵技法のおさらいに格好の機会であったので模写講座に参加した。
この模写は、板に前膠、白亜地を施し、水彩デッサン、インプリマトゥーラ、下層描き・上層描きのための下層描き・上層描きと順序を踏み、常に有色下地や下層色を殺さぬよう重ね塗りをして、透明な色の重層効果と不透明効果を意識して仕上げた。それは、特に子どもの髪の部分の軽やかな表現や顔・胸の肌の厚み表現はまさにその技法を意識した部分である。そして、毛布の盛り上がり感を表現した部分もそうである。明暗と中間調子の巧妙な塗り分けにより、絵具が薄塗りであるにも拘わらず見事に物体の当たり感と空間感の表現ができ、かつ温かみのある絵に仕上がる技法であることを改めて思った。途中、背景に失敗もあったが結果的には上手く表現ができ、油絵を伝統的に描く古典画法の基本が味わえた絵であった。
私はこの技法を知って以来、絵を描くときは常に絵具の重層効果を読み、絵の完成を予めイメージして構築していく描き方を心がける様になった。
*本集中講座は2001年に「17Cフランドル技法講座」として、客員講師・滝波重人氏を招いて行われた

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